ナタリー・ポートマンが欲求不満気味のエロ女医さんを熱演する、艶笑ラブコメ
マイク・ニコルズ監督の『クローサー』(2004年)でストリッパー役に挑戦したにも関わらず、あっさりヌードシーンがカットされてしまったり、ミロス・フォアマン監督の『宮廷画家ゴヤは見た』(2006年)でも肝心のバストトップは封印してたり、ナタリー・ポートマンの出し惜しみぶりにはホント、がっかりザマス!
何でも『レオン』(1994年)のデビュー以来、母親がエージェントとなって性描写にことごとくNGを出しているらしいが、何だかスネ夫ママみたいな感じで嫌ザマス!
しかしながら自らプロデュースも手がけた『抱きたいカンケイ』(2011年)では、寝る間も惜しんで男友達のアダム(アシュトン・カッチャー)とセックスしまくるという、欲求不満気味のエロ女医さんを熱演。
脱ぎっぷりは相変わらず良ろしくないものの、ここまで過激なキャラクターは今までのナタリーには皆無。エロ一直線にならず、あくまでチャーミングな役柄に着地させているあたりが、彼女なりの計算か。
本気になったら関係解消、あくまでカラダだけで繋がっているセフレだった二人が、やがてお互い本気の恋を感じてしまう…という、「リア充同士のリア充ドラマかよ!」と世界中の非リア充ボーイズ&ガールズから石を投げられそうな題材。
とはいえ、実生活でも恐妻デミ・ムーアの尻に敷かれているアシュトン・カッチャーが、絵に描いたようなボンクラ男子ぶりを発揮するので、嫌味なく鑑賞できるのがグッド。3Pに参加しようとしてやんわり断れるシーンなんぞ、他の役者だったら単ある色情魔にしか見えないもんね。
『ミートボール』(1979年)、『パラダイス・アーミー』(1981年)、『ゴーストバスターズ』(1984年)など、あまたの抱腹絶倒コメディーを上梓してきたアイバン・ライトマン監督だけあって、コメディ演出は、鉄板の安定度。
息子の元カノに手を出してしまう父親役のケビン・クライン、神経症的にしゃべり倒すTVプロデューサー役のレイク・ベルも面白いキャラクターだが、それ以外は正直ジッパヒトカラゲで、あまり印象に残らず。
まあつべこべ言わず、ナタリー・ポートマンのツンデレぶりを骨の髄まで楽しむべき映画であります。
《捕捉》
ちなみに原題の『No strings attached』は、「糸が付いていない」から転じて「条件なし」、つまり自由!って意味である。
- 原題/No Strings Attached
- 製作年/2011年
- 製作国/アメリカ
- 上映時間/110分
- 監督/アイヴァン・ライトマン
- 製作/アイヴァン・ライトマン、ジョー・メジャック、ジェフリー・クリフォード
- 製作総指揮/ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー、ジョナサン・グリックマン、ナタリー・ポートマン、トム・ポロック
- 原案/マイク・サモネック、エリザベス・メリウェザー
- 脚本/エリザベス・メリウェザー
- 撮影/ロジェ・ストファーズ
- プロダクションデザイン/アイダ・ランダム
- 衣装/ジュリー・ワイス
- 編集/デイナ・E・グローバーマン
- 音楽/ジョン・デブニー
- ナタリー・ポートマン
- アシュトン・カッチャー
- ケイリー・エルウィズ
- ケヴィン・クライン
- クリス・“リュダクリス”・ブリッジス
- オリヴィア・サールビー
- グレタ・ガーウィグ
- レイク・ベル
- ミンディ・カリング
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