アダルトでビザールでエキセントリックで、ちょっとエッチ。バービーのセクシャリティーが充満した一枚
メンズノンノ系のルックスとハイトーン・ハスキーボイスを駆使して、女子をノックアウトさせる、KONTA(ヴォーカル&サックス)。
「アタイを抱くには、まだアンタはネンネだね」と言わんばかりの、ホステス・オーラを発散させる、杏子(ヴォーカル)。
『帝都物語』の加藤保憲にクリソツな、“マッド・サイエンティスト”、いまみちともたか(ギター)。
現在は、浜崎あゆみのバックバンドとして活動中の、エンリケ(ベース)、
ヤクザ映画に出てきそうな強面ドラマーの、コイソ(ドラム)。
夜間活動型かつ低血圧型の5人によるダウナー系バンド、それがバービーボーイズである。
アダルトでビザールでエキセントリックで、ちょっとエッチ。オトナの世界に憧れ、背伸びしたくてしょうがなかった中学生だった僕にとって、バービーボーイズはひたすらカッコイイ存在だった。いやホント、こんなチョイ悪親父になりたかったなあ。
いまみちともたかによる楽曲群は、強いて言うなら、「青山学院出身の広告マン(電通あたりが望ましい)が、ちょっと無理目なワンレンボディコン美女と六本木のショットバーで出逢い、テキーラサンライズを2、3杯飲み、『この前コモエスタ八重樫主催のパーティーいったんだけどさ、イマイチだったんだよねー』みたいな会話を交わし、プールバーでビリヤードを突き、そのまま渋谷の円山町に消えて一晩限りの関係を結ぶものの、何となくお互いの存在が気になったりして、実は二人とも彼氏・彼女がいるにもかかわらず、月に一度は表参道で待ち合わせてオトナな関係を続けている」みたいな感じである。
それは歌のタイトルにも顕著だ。
「離れろよ」
「もォやだ! 」
「負けるもんか」
「でも!?しょうがない」
「ごめんなさい」
「はやまったらイヤだぜ」
「さあどうしよう」
「帰さない」
この耽美なエロスを、当時珍しかった男女混合ヴォーカルとソリッドなアンサンブルで増幅させる…。うーん、とってもやらしいニャー。
現在は「福耳」のメンバーとして、山崎まさよしやスガシカオと『星のかけらを探しにいこう♪』と、優しいヴォーカルで歌っている杏子。
しかしバービー在籍中の彼女は、セックスアピールの象徴として、ぬめりのあるヴァギナをこれでもかと嗅ぐわせ、当時は中坊童貞男子だった僕を完全にノックアウトさせたのである。ヒットシングル『目を閉じておいでよ』を収録した5thアルバム『√5』(1991年)は、特に彼らのセクシャリティーが充満した一枚といっていいだろう。
’03年2月、バービー・ボーイズは『LIVE EPIC 25』にて3夜限りの復活を果たした。今なお彼らはカッコよくしなやかで軽やかである。
杏子姐さん、ありがとう。アナタのおかげでボクはオトナになれた気がします。これからも頑張ります。
- アーティスト/BARBEE BOYS
- 発売年/1991年
- レーベル/ソニーミュージックエンタテインメント
- ト・キ・メ・キ
- 目を閉じておいでよ
- Y~ゆがむ
- chibi
- レイト・アゲイン
- さぁ どうしよう
- 噂ばなしはM4
- せまってデイ・バイ・デイ
- 君を見てるとしょんぼり
- もうだいじょうぶヒステリー
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